会長 加我君孝
明年の平成15年5月22日〜24日の会期予定で、第104回日本耳鼻咽喉科学会総会を東京大学が担当いたします。会場は、第1日目と2日目は、日本都市センター、砂防会館別館、松屋サロン、赤坂プリンスホテル・クリスタルルームなどを使用し、第3日目は安田講堂を予定しております。
東京大学耳鼻咽喉科学教室の日耳鼻総会の主催は、歴史を振り返ってみると、戦前は、初代の岡田和一郎教授が明治35年の第6回より大正15年の第30回までの25年間を会頭として毎年総会を主催し、この時代は会場は東大の中の講堂で行われました。
2代目の増田胤次教授が昭和4年の第33回、昭和9年の第38回、昭和12年の第41回、昭和17年の第46回と4回担当しております。戦後は颯田琴次教授が昭和23年の第49回を担当しました。その後、切替一郎教授が昭和34年の第60回を担当し、それより28年後の昭和62年に野村恭也教授が第88回を担当され、今回の私共の教室はそれ以来16年ぶりに担当することになります。切替一郎教授が担当された時の一般演題数は138題、野村恭也教授が担当された時は343題でした。ここ数年の動向をみますと、一般演題数は約450題となっており、総会の規模がより大きくなっていることがわかります。私は学会の最初の2日間は日本都市センター及び周辺の施設で、最終日の土曜は東大キャンパスに移動し、安田講堂でプレナリー・セッションをとり行い、質素にしかし内容は充実した学会を企画することにより、会員の先生方が是非参加したくなるような学会にしたいと思っております。特に3日目は、夏目漱石や斎藤茂吉の脳などが展示されている医学部標本室を特別に会員の皆様のためにオープンしてもらおうと考えています。東大周辺には弥生美術館、樋口一葉の旧居、森鴎外図書館、横山大観美術館など、歩いて10分程の距離に多数の歴史的なミュージアムや建物があり、参加する会員の皆様には学術と共に歴史と文化の両方を体験して頂きたいと考えております。さらに東京大学耳鼻咽喉科学教室の保存している歴史的な検査機器、手術道具の展示を安田講堂の回廊で行うことも考えております。
最後に、たまたまですが日本耳鼻咽喉科学会は明治26年に創立され、平成15年で110周年を迎える記念すべき年でもあります。ぜひとも多くの会員の皆様の参加をお願い申し上げます。